*(一人語り)”アカとブルー”

・はじめに
このサイトともっと連動した方が良いのではと思っているtwitterの方ではよく応援になってないネタをぶちかましている”アカとブルー”。それと縺尋・サザッキィ個人がどう結びついているか、それを特別編として記したいと思います。
ちなみに、”アカとブルー”はIOS/ANDROIDのアプリ。
”アカとブルー タイプレボリューション”は2019年11月27日(水)より全国どこかのゲームセンターで稼動したアーケードゲームである。
以降区別してお読み頂ければ。

あーちなみに、これは文筆家などではない私の、稼ぎなどには一切つながらない文章であり、読ませる目的でもなく、要約もしていない、自分がここ数年常々思ってきたことをわざわざ長大に記してネットの海に流しているだけです。ですので、読みやすさは読まなくてもあなたに不利益はありませんし、読まない方があなたの幸福につながるかも知れません。さらに、個人の感想や妄想であって、裏もとっていないことも多いので、本当に自己責任でどうぞ。ここまで言いましたよ?自己責任ですよ???

・”ゲーセンミカド”と私について
このゲームとの出会いを語る前に、どうしても”ゲーセンミカド”について語っておかねばなるまい・・・本当なら一章設けるべきなのですが、実は2020年1月現在、配信を観て関連グッズ購入等で応援しているだけで一度も行ったことがない(2019年6月の北海道での札幌スガイコラボイベントには行きました)のがとっても申し訳ないので、簡単に・・・。
数年前、youtubeでゲームの通し動画が観られるということがわかって、我が信仰の対象である”メタルブラック”を検索して出てきたのが、ゲーセンミカドによる実況配信動画。そこで驚いたのはただクリアまで流すだけでなく、広く確かな知識に裏打ちされ、ツボを押さえた解説がなされていたこと。後にイケダミノロック店長による解説ということがわかるわけですが・・・とにかくその解説聞きたさに、シューティングゲームを中心にひたすらミカド配信動画を漁る日々が続きました。転勤による引っ越し準備のさなかに。(笑)
観ていく中で、自分の知らない間にビデオゲーム主体のゲームセンターは危機的状況であること、要因としては新作のアーケードゲームがネット接続が必須となり、1クレジットごとに手数料が取られること、その新作も以前に比べると制作コストの高騰からかやたらと高く、しかもメーカーがネットワークサービスを終了すると文字通りの産業廃棄物となり、その廃棄コストも設置店が負担することになる、と。しかし新しいゲームはそういうシステムのものしかなく、買わないわけにはいかない割には普通にスマートフォンでできるような内容なので、プレイする人間もそういないこともある・・・等々。その危機的状況に、ゲームセンターを愛するイケダミノロック店長とその仲間がかつてのネットにつながなくて良い、ハードウェア故障までは動くアーケードゲーム(とはいえ導入しやすくて人気なら手数料ありの新作も含め)と様々な企画で、自分の知っているゲームとゲームセンターの、文字通り生き残りをかけて挑み続けている、そんなドラマとロマンが浮かび上がってきたわけです(私が応援してますと言っても、人形で遊んでてどうすんだ!そのカネでキャバクラ行ってオネーチャンと話せ!そっちの方が人生の勉強になる!と言われそうではありますが)。気がつけば自分の青春時代の一部であったゲームセンターはほとんど消え、ビデオゲームが多数動いている場所もほんの僅かになっていました(ビデオゲームは一種類、一台あれば良いというものではなく、様々な種類が集まっているから広がりもあるし、ちょっと他にも挑戦しようかという気にもなる、というのが私見です)。なるほど今の内少しでも行っておかないとなーと思って貴重な生き残り(前章にある通り、対戦ゲームに音ゲー、プライズキャッチャーがいくら置いてあろうとも、自分には何ほどの価値があろうか!あえて言おう!・・・いや、やめておこう)である札幌スガイに機会あるごとに行ったわけですが・・・この辺りの続きは後、次章になります。

・”アカとブルー”との遭遇
そんなゲーセンミカドでわざわざ配信をしてまで推してくるスマートフォン向けのゲームがあった。それが、”アカとブルー”である。
これは、音楽と音響、台詞、一部デザイン以外は、ディレクターと天才プログラマーのたった二人のタノシマス社が、基本たった二人で作り上げたシューティングゲームとのこと。ディレクターはそれまで大手ゲーム会社で務め(恐らくストーリーや世界設定、台詞など雰囲気作りが得意なのかも知れない)、アーケードや電話向けの弾幕シューティングにも関わった人物らしい。プログラマーのすごさはゲーム画面を一目見れば分かる。unityという言語、手のひらサイズ、しかもバッテリー駆動のスマートフォンというハードの限界に挑戦したというとんでもない弾と得点アイテムの同時表示数で、スマートフォン(自分の場合はiphone5s、後にiphone7plus)で動いているにかかわらず処理落ちなど全く感じさせない・・・プログラムのことはわからないが、恐ろしいまでの天才なのだと思う。
そんな二人が、ある程度安定した会社組織の中でのゲームづくりを擲ってまで作り上げたゲームが、この”アカとブルー”だったらしいのだ。

前章で述べたとおり、自分はイージー☆ゲーマーである。間に星が入ってしまうくらいである。しかもアーケードの縦シューティングはほぼクリアしたことがない。まともに3面まで行ければ良い方。いわゆる苦手である。当時結構やったはずのファミコンのゼビウスではブラグザカートがかわせず確かエリア14が最高記録、初めてやったアーケードのテラクレスタでは最初の砲台と正面から相打ちというトラウマ体験までしている始末である。無論見るからに難しい弾幕シューティングには手を出したことすらなかった。
そんな自分が、配信から伝わってくる何か、熱意?に動かされ”アカとブルー”を買ったのである。たやすいことではない。
そう、iphoneでもandroidでもそれぞれのアプリストアから1000円くらいで今(2020年1月現在)でも買えるので、おい、そこのお前、まだ買ってなければ今すぐ”アカとブルー”を買うのだ!これまでセールが行われたことが無いので、これ以降も多分無い。多分。だからこの値段で買っても損は無い。多分。買ってクリアまでやって損したと思った者はここ、ヴァストカヤスクのスモールフラットタウン、オーガディアまで来い!来たら名物の海鮮丼(夏なら地物ウニも乗るぞ!)をご馳走の上、地元バス会社の萌えキャラ缶バッヂをお土産に持たせようではないか。(交通費は自己負担ください)。
おっと、話が逸れたようだ。話を”アカとブルー”に戻そう。

・自機タイプは二種類
自機は2タイプから選ぶことができる。それぞれ特徴ある自機から選ぶことができるのは、ダライアスフォースにもあったシューティングゲームの伝統の一つだ!(いやそれは)赤いアカの機体、ファイヤーバードはショットが広角、”BOMB”が前方固定、青いブルーの機体、ブルーアウルはショットが前方のみ、代わりに”BOMB”が移動方向の逆に出る。初めてなら、せっかくだから赤の扉・・・いやアカのファイヤーバードを選べ!いやブルーアウルでもいいですが。基本を学ぶまでは赤を推奨します。ちなみに主人公その1、アカ・シンクは設定年齢50歳。無論ゲームの主人公で男と言えば若いイケメンばかりではあるが(昔はヒーローといえば、月光仮面の”おじさん”だったのだが・・・)、この歳でもシューティングゲームの主役が張れる、自分ももう何年かはがんばれる!という気になるのです・・・いや、あと数年でその歳を越えたらどうなっているかはわからない・・・細けぇコトはいいんだよ!ファイヤーバード、出るぜ!

もちろん1面はこのゲームの中でも難度控えめ、このゲームの基本が分かっていなくても何とか進めるレベルに収まっている・・・デフォルトでオートBOMBが有効なので、さらに助かるわけですが・・・それでも最初は一面クリアすらおぼつかない。そう、このゲームの肝である”BOMB”の基礎知識を理解するまでは・・・。

・”BOMB”について
このゲームにおける”BOMB”(他のゲームのいわゆるボムとは差別化したいようだ。それは設定、及びこのゲームの特性でもあるかも知れない)とは・・・

@基本的に敵を倒す、ショットを打ち込むことで1〜5段階までチャージされる。レベル1以上あればいつでも発動できる。
A”BOMB”を発動すると効果範囲のほぼ全ての敵弾が消滅する。レベル1では自機の周りの狭い範囲にだけ効果を及ぼす。2以上だとレベルに応じた大きさの円が前進していき、敵に当たるとダメージを与える上に得点アイテムがジャラジャラ出る(この様にして稼ぐのだ!いや稼いでもエクステンドはしない!稼いでも意味は無い!)。
B”BOMB”で巻き込んだ敵弾の数に応じて次の”BOMB”発動ゲージがチャージされる。(正直これが肝)

この基本が学べれば、このゲームの肝(と思っている部分)が分かってくる(と思う)。そう、他のシューティングゲームではひたすらかわすかボムるか防御オプションに当てて防ぐしかなかった(いや、通常弾を当てると吸収してボムにするオプションのついたグリッドシーカーや、通常弾を吸収し、たまると強力なショットが出るバリア状のストックボンバーがあるオーダインとかあったが)敵のばらまく破壊不可能な通常弾に対し、任意に発動できる攻撃手段になるのである。そう、このゲームは、使用までに制限はあるが回数制限がなく、少しうまくするとすぐにチャージできる”BOMB”で敵弾を攻撃して道を切り開く、弾幕”を”攻撃するゲームなのだ!(で合ってるよね?キャッチコピーが”弾雨を切り裂く”だし)だから、弾がたくさん迫ってきたらそこにBOMBをぶっ放せば良い。たくさん巻き込んだら、”BOMB”の効果がなくなった時にはすぐに次の”BOMB”がチャージされているはずだ。まだ弾が多ければそこにもぶっ放せば良い。任意に弾幕を攻撃する感覚を身につけると、他の弾幕シューティングが物足りなくなるかも知れない。とはいえ、自分は実際”アカとブルー”をやってから初めてアーケードの弾幕シューティングをやってみようと思いました。自分にとっては縦シューティングへの新たな入り口になったなぁ、と。あとは弾幕ではありませんが高難度の、ミカドで推してきた達人王も初めてやりましたよ。1面クリアできたら簡単なアーケードシューティングの一周に相当する緊張感と達成感が得られる(私個人の感想です)秀逸なゲームあることが分かりました。おい、そこのお前、達人王をやるのだ!

ちなみに、”BOMB”にも弱点はある。チャージレベルが多いほど効果範囲も効果時間も長くなるが、”BOMB”の効果中には自機の無敵がないので敵機や他の方面から撃たれた弾には普通に当たる。これがまさに諸刃の剣。注意だ!しかしチャージレベルが高く、固い大型敵に当てるほど得点アイテムが長く盛大に出る・・・この様にして稼ぐわけだが、ハイスコアのためにはリスクが高まるという素晴らしいバランス調整が為されている。ここもすごい。ただ繰り返し言う。稼いでもエクステンドはしない!!

そして、このゲームの機能としてオート”BOMB”がある。デフォルトでオンになっているこれは、チャージが1以上あれば敵弾に当たった場合、”BOMB”がレベル1で自動的に発動してダメージを受けない、というもの。しかもその際にも巻き込む弾が多ければ次がチャージされてすぐに発動できるので、特に終盤とんでもない弾幕に対しては逆に下手に動かなければレベル1”BOMB”が連続発動して実質無敵、という状況すら生じてしまうという脅威の機能だ!これに気がつけば、終盤の方が楽になると思う。さらにはわざと弾の多いところにぶつかって活路を開く、それでレベル2にまでチャージするなんて試行錯誤まで楽しい!ただ、”BOMB”は一度に一発しかチャージできないため、弾幕の終わりかけで発動すると巻き込む数が足りず十分な再チャージができずに思い切りピンチになって緊張感が増すぞ!それもまた楽しいわけですが。オート”BOMB”はオプションで切ることも可能。自力で弾幕をかわしてみたい場合や、かわしながらギリギリまでチャージして発動してスコアアタックをする場合はどうぞ。自分はやらないけどな!!

・ドラマ部分と声優の熱演
”BOMB”の使い所と敵の攻撃展開が分かってくれば、少しずつでも進んでいくようになるのではと思います。面をクリアすれば耐久力は3に戻り、以後は到達した面からスタートできる上、途中のパワーアップもないので本当に再チャレンジが容易で、長丁場の面でもコツコツ進めることができる感じがしました。
そして次に取り上げるべきはゲーム進行の中で特に流れを中断することなく自然と繰り広げられる、嫌味の無い(個人的に)ドラマと声優陣の熱い演技!!オプションでストーリーをオフにしなければ、再チャレンジの度に何度も聞ける、何度も聞くことになる、いわばボイスドラマも秀逸。それによってなかなかに熱いSFスト−リーが徐々に明らかになってくるわけです。声優の演技ももちろんですが、ディレクターが書いたであろう台詞が本当に秀逸。恐らく何度も練り直して最適な形に持っていったに違いない。そう、フルボイスのドラマ付シューティングゲームはあっても、もう既に戦闘が普通に始まっていても、敵機との遭遇前のやりとりが延々続いているような残念なものもたまにあったり。確かにダライアスUの一面でも、名曲”オルガブリーズ”では軽口も含んだ台詞で一生懸命洒落た発進シーケンスを演じているのに無慈悲にも戦闘は開始されており、特に発進らしいところはないという残念さがあったわけですが。この”アカとブルー”では特段ドラマ部分に違和感を感じることはなかったわけで、これは恐らくディレクターが培ってきた力が発揮され、しかもごく少人数での開発で、演出の行き違いがなかった結果なのだと思います。

・難度設定が・・・無い?
この”アカとブルー”、充実のオプション設定で色々操作感などを調整できるのですが、一つだけ、他のゲームにあってこれに無いものがあります。それが、難度設定です。シューティングゲームやアクションゲームにはほぼ必ずあるものですが、それがない。しかしその意味は、難しすぎるだろーと言いながら数日にわたり何度もトライして、1、2回クリアする頃には分かってき(た気がし)ました。オート”BOMB”の設定は任意とは言え、この唯一無二の難度設定で、少しずつ基本や技量を学んでいく初心者からスコア世界一を目指す超上級者までが、満足して遊ぶことができるのだということを。クリアするだけなら敵の展開に対する位置取りや”BOMB”の発動タイミングなどを試行錯誤して覚えていけば何とかなり(個人の感想です)、終盤の非道な弾幕も連続オート”BOMB”で実は無敵状態などサポートがされており、超上級者は極悪な弾幕を回避しながら必殺の(10点でも多く稼げる)BOMBタイミングを試行錯誤する楽しみが際限なく開けている・・・難度設定が無いことこそが、逆に制作者の自信を示しているのだと感じ、勝手に感動を覚えたものです。

・妥協も・・・何処にも・・・無い?
そう、この”アカとブルー”どこをとっても妥協や手抜きが感じられないのです(個人の感想です)。ある程度以上納得いくまで煮詰め続け、それで世に出された今時希有なゲームと言えましょう。昔から、技術が足りなかったんだ、時間が足りなかったんだ、申し訳ないがこの部分は手を抜いたんだ、と私にでさえひしひしと訴えが伝わってくるようなゲームはたくさんありました。それに対し、本当に丁度良いところまで煮詰められたこの”アカとブルー”はまさに英知の結晶、と言うべきでしょう。まさに宝石、ゲーム界の至宝と言うことができます。もちろんゲームが発売されなければこのゲームによる収入があるわけでもないので、タノシマス社の二人がギリギリまで自分の生活を削っていたであろうことは想像に難くありません。私を始め、これを理解する人々が多いからこそ、私などよりももっとゲーム経験が深い方にもこれが刺さるからこそ、この作品のファンは根強いのではないかと思います。そう、タノシマス社の二人が今回大きな会社組織でゲームを作ることをしなかったのも、これのためなのではないかと思われます。組織だともちろんゲーム制作の部署だけでなく事務方から営業宣伝、その他隅々までの命運をかけるわけですから、納得いくまで作り込むなどということはまず不可能だということは容易に想像が付きます。経営が総合的見地からの判断でスケジュールを設定し、それに合わせて営業も宣伝も動く・・・そんな中ではやりきれなかった思いが、組織の中では作りきれなかった思いがひょっとしてあったのかも知れません。だから、基本二人だけで、二人の責任で思いのままにとことんまで作り込みたかったのでは、と。(一介の個人の印象です)

・”思いのままに飛べる”
そう、”思いのままに飛べる”はこの作品のキーワードの一つです(と個人的に思っています)。
これは、タッチ操作というスマートフォンでの開発による制限から生まれたものと、個人的には感じています。一般的なコントローラーでの操作では、自機の移動速度は常に一定なわけですが(もちろんパワーアップによるスピードアップ!や可変速のイメージファイトなどありましたが)、タッチ操作だと早く動かせば早く、遅く動かせば遅く、というのをアナログ的にできるので、弾幕が来る前に素早く安全地帯に移動する、弾幕を抜けるのでは無く待たずにさっさと大回りしてしまう、などのこれまでのシューティングゲームには無い機動が可能でした。もちろん微速で弾幕を抜けることもできます。個人的には、これが”思いのままに飛べる”ということなのだろうなと解釈していました。これをSF設定上可能にしたのが、次の”ブレンダー”ドライブだとごく個人的に解釈しています。

・SF設定のロマン”ブレンダー”
自機の動力源は、波長の合う人間の意志で駆動する超ジェネレータ、”ブレンダー”であるとされています。キャプチャした画面を元に勝手に模型を制作する際、自機の中心にある八角形のデロータ、いやこのパーツこそがその”ブレンダー”ではないかと。そう、ゲーム中”疑似ブレンダー”と呼ばれているものの特徴にも合致します。恐らくこれが、重力も慣性も空気抵抗も全て無視した”思いのままに飛べる”機動を可能とする”ブレンダー”なのでしょう。ブルーちゃんかわいー?そんなのは正直どうでも良い。この”ブレンダー”こそがアカとブルー最大のSFロマンの根幹である!異論は認めない。
波長の合う人間の意志を推進力に変える、さらには”BOMB”の発動(開発目的はゲーム中、そして公式サイトで明かされるぞ!)まで可能とする、そんなトンデモSFファンタジー設定こそがロマン!しかしそんな超機関を本編の20年以上前に開発してしまったブラウン博士、そしてそれを(当然)軍事利用しようとするブラック総統、そしてその顛末・・・本編、ゲーム進行中に声優の熱演によって語られるスト−リーからそれを色々妄想しつつ模型制作を進めたものです。実際、模型もあえて本体フレーム部分を接着はせず、後から”ブレンダー”パーツだけを取り出せるようにしたものです。

・4面ボスとムラサキの謎
4面ボスは本編中の台詞から巨大な”疑似ブレンダー”そのものであることがわかります。しかし、”ブレンダー”が誰かの意志を元にドライブしているものだとしたら、これは一体誰の意志か?黒幕のクロさんが遠隔で世界への憎悪を伝えているのか?それとも他に誰かいるのか?”疑似ブレンダー”の駆動には波長の合致は必要ないのか?それとも”疑似ブレンダー”は、自力で駆動できるのか?等々、疑問は尽きない。しかも、4面ボスは攻撃されている側の”オリシア国”の巨大浮遊艦の中だという。この”疑似ブレンダー”は浮遊艦を奪取した後に組み込まれたのか?無人で動いているらしいところを見るとそうも言える。が、正体を偽ったクロさんがオリシア軍からジェネレータを受注して、自分が思い通りに操れる、”疑似ブレンダー”を秘密裏に搭載した、とかなるとますますSFストーリー妄想が膨らむわけです。そういや元々”疑似ブレンダー”の開発はクロさんの父、ブラック総統だという話もあるので、クロさんは”疑似ブレンダー”を始めとする超技術で各国の軍に取り入り、事前にHOS並に罠を仕込んだ超無人兵器制御システムを各国に導入させたところで防衛システムをハッキング、あっという間に大兵力を手に入れた、とか、表の顔が出身不明だが、新進気鋭の世界的天才発明家、だったとしたらSF的に相当のロマン量である。多分致死量を超える。(笑)
クロさんとその軍勢以上に深堀りしなくとも、本編中で謎が明示されているにもかかわらず、”アカとブルー”本編では説明がされていない主要登場人物が、ムラサキである。2面中盤、そして5面道中と2回にわたり登場するこの人物にはその機体と共に謎だらけ。本編の20年以上前、ブラック総統の腹心の部下で新開発の”ブレンダー”のパイロット候補だったがその座を主人公その1のアカとその相棒アオにとられ、しかも軍事利用を恐れたブラウン博士の手引きで”ブレンダー”搭載機で国外逃亡した二人と、ブラック総統が開発した”疑似ブレンダー”搭載機で決戦、アオの機体による体当たりで撃破される・・・敬愛するブラック総統を守るため、”ブレンダー”パイロットの座を奪われた恨みを爆発させての戦いぶりと考えるとまさにロマンである。
で、その後どうなったか。体当たりしたアオは死亡したと明示されているが、ムラサキは20年後に復活している。それも、本編中の台詞によると20年経っているとは思えない姿で、だそうな。これはまさに回収されていない伏線と言える。80年代までのSFならアカとアオの攻撃を生き延びたブラック総統が、アオの体当たりによる墜落で死に瀕したムラサキをサイボーグ化、あるいは義体化して救った、あるいは90年代半ば以降のSFなら”疑似ブレンダー”が当時実現できなかった”BOMB”の代わりに搭載した”ブースト”のしすぎで暴走、シンクロ率400%を超えて”疑似ブレンダー”に吸収された状態で回収されたが、ブラック総統の追放と死後、それを引き継いで研究を続け、超絶技術を身につけた息子のクロさんがサルベージに成功して復活、新たな主として命をかけて協力することになる、というのも熱い。はて、公式はどのような設定を持っているのか。今後に期待しよう。
ただ、”アカとブルー タイプレボリューション”の新曲がV.Vで、意味がヴイヴイいわす、でもヴイ・ファイブでも無くヴァイオレント・ヴァイオレットだという話らしいとのこと、条件の厳しい隠し真?ボスがいるとのことなので、これはもうひと花あるかも知れない。自分は自力で見ることはないだろうが、いつか情報が解禁され、ゲーセンからの真ボス撃破配信が楽しみである。その時に、これらムラサキに関わる謎が明らかになるのかも、しれません。

・主人公その1、アカの謎
そういえばアカも謎が多いといえば多い。祖国ヘーレをアオと共に脱出し、その後ムラサキの攻撃をアオの命を犠牲にした体当たりで生き延びたアカは、オリシア近辺の無人島に”ブレンダー”搭載機と共に引きこもり、20年もの間隠遁生活を送ることになる・・・。他に、へーレ国のブラック総統を失脚させてオリシアでは当時英雄扱いだったが、その出身はひたすらに伏せられたとの台詞が本編中にあります。確かアカとアオを脱出させるときにブラウン博士はブラック総統に殺害されたという話だったはず。ひょっとするとブラック総統もかなりの技術者で、師匠であるブラウン博士と”ブレンダー”開発に共に関わっていたが兵器利用をしようとして拒まれ、独自で”疑似ブレンダー”を完成させたが性能が及ばなかった、となると、それだけでかなり愛憎渦巻く話である。
話をアカの謎に戻そう。アカとアオは当時ヘーレと戦争状態にあったオリシアに味方して自機を武装化、超絶ロマン”飛翔機”(この世界の飛行機は、全般に”浮遊機”と呼ばれているという)で圧倒的戦力のヘーレ軍を蹴散らして戦争を終結させたのかも知れない。だとすると、20年前のアカとアオが主役のアカとブルーゼロ、アカとアオというゲームもあり得るかも知れないな。
その他、アカは主人公その2、ブルー・サーニの父であるオットー・サーニ(本ゲームの作曲者、WASi303氏がモデルと言われる。サントラのパッケージに、幼少のブルーと共に描かれている)、ミーノ・ローク(ミカドの店長にして本ゲームにギタリストとして参加のイケダミノロック氏がモデルと言われるが描かれてはいない)らとバンドを組んでいたという設定もある。それが亡命後、ヘーレとの戦争中だったのか、戦後だったのかは不明。そしてある日忽然と姿を消す・・・軍からは突如現れた英雄として扱われ、当然超テクノロジーである”ブレンダー”の兵器利用は狙われただろう。それがイヤになるのは想像に難くない。オットー・サーニ氏はアオのことを尊敬していたという話が本編(エピローグ)中、そして公式サイトのストーリー中にあるので、親交があった可能性は高い。そうなると、亡命からオリシア反抗までの彼らの生活は考察や妄想をすると楽しいに違いない。オリシアでバンド仲間にかくまわれながら、戦う気は無く仲間とバンドをやっていた(いや、ヘーレの侵略前の国交があった時期から交流があってバンド活動をしていたのかも知れない。そのつてを頼ってオリシアに亡命し、機体と共にかくまってもらっていたのか)アカ、しかしヘーレの侵攻が始まりって戦火が迫り、友を、罪なき人々を守るためにアオと共に飛び立った!いや、飛び立つことを先に主張したのはアオだったのかも知れない。その勇気と気概に打たれたオットー・サーニが後に自分の娘にブルーと名付けることになる、と。青空に飛び立つ二機の飛翔機とそれを見送るバンドメンバー、というのは素晴らしく絵になるに違いない。
あとは公式設定でムラサキの機体に体当たりしたアオの機体を無人島で修理し続けた・・・とあるが、機体や残骸は誰がどう回収し、運んだのか。ご都合主義ならアオ機の”ブレンダー”を中心に光に包まれて一式浮いてアカの機体についてきた、とか、ヘーレ中枢まで随伴してきたオリシア軍が協力して回収し、隠遁するまでを秘密裏に支援したか。または、ムラサキとの最終決戦はヘーレ国内では無く、ブラック総統自らが出撃してきてオリシア近くであったとか、一度ムラサキが敗退し、ヘーレ軍本部が壊滅した後、帰り、オリシア周辺で追いついてきて捨て身のブースト連発が炸裂したのか。どれで妄想してもSFロマンが致死量を超えますな!!
まぁアカの最大の謎は、無人島で20年どうやって引きこもりで生き延びていたのか、ということとも言えなくは無い。アオの機体を修復する工具や資材はどうしたのか?木になっていたのか?畑で採れたのか?いや補給機が多数墜落していたとか浮遊機の整備船が漂着していたとか?どれだけ恵まれた島なんだ、と。(笑)

・自機は元々非武装?
ブラウン博士が開発し、オリジナルの”ブレンダー”でしか実現できなかった”BOMB”は元々兵器では無かった。となると、元々開発段階では自機は武装化されていなかった可能性がある。機体の構造的には”ブレンダー”が中心で、それ以外はとってつけたような印象がある、武装は特に後付け感が強い・・・そう考えながら模型は作っておりました。そうであれば武装化はいつなのか?ヘーレ脱出前に兵器化を目論むブラック総統によって武装化されていた、あるいは亡命後、オリシア反抗時にオリシア軍によって、あるいは奪取、サルベージした兵器を自前で軍によらず?あるいはオリシア反抗時も武装化せずに二機の”BOMB”だけで突破、中枢をブラック親衛隊と共に壊滅させてオリシア軍を勝利に導いた?それなら武装化は隠遁後?調達先の問題やアカ一人の判断になるのでそれは少し無理があるか。本編ではゲーム的な都合もあろうが”BOMB”は基本、敵機を撃破する、あるいは攻撃をヒットさせることでチャージしていた。元々”浮遊機”で宇宙に行くための平和利用が目的だったブラウン博士はどのようにチャージするつもりだったのだろうか。それも疑問として残る。
いずれにしろ、どの考察であったにしてもSFロマンは軽く致死量を超える。
あ、そうそう、ブルーアウルの武装はガトリングガン・・・のようではあるのですが、ゲーム画面ではどう見ても3つほどの砲身から順に発射されているように見えるのです。通常ガトリングガンの多砲身は一発発射したら回転して次の砲身に、というように一本一本の冷却時間を確保することで発射速度と砲身冷却を両立している兵器なわけですが(確か)、それなら発射される弾道は一本になるはず。ゲーム的な表現なのかもしれませんが、現行のガトリングガンとは明らかに違う武装なのかも知れません。しばらく悩んだあげく、どこかで見た3本の回転式砲身に落ち着かせました。(その時は意識していなかったのですが、後になってこれはガンダムアレックスのガトリングガンだったことに気がつきました。)というのも、模型製作の段階ではメカデザインは史料と資料として公開されておらず、ゲーム画面でもほぼ上からの視点でしか描かれていなかったことに起因します。正直尾翼デザインなんてもっと横移動中の画面をキャプチャして観察すべきでした・・・結果的には、画面で見えない下面の武装やランディングギアの部分を、SFメカロマンロマンを燃やして考察し、自分の技量の範囲内で立体化するかという取り組みは本当に楽しく、メカSF作品としての”アカとブルー”をより深く楽しむことができたのではと勝手に思っています。

・サウンドトラック
”アカとブルー”はサントラが大きく分けて4種類発売されています。そのうち、最初のオリジナルサウンドトラックにはCD版の他にカセットテープ版が発売されました・・・何故かというと、主人公その1のアカが、常にカセットテープで音楽を流している、という設定に起因しているのでしょう。ちなみに本編の出撃機体決定の効果音は、昔懐かしいカセットテープレコーダーやラジカセの、メカニカルな再生ボタンの音をイメージしたものに違いありません。カセットテープは現実には20年前にもうほぼ絶滅していた感じですが、アカという「20年引きこもっていた人」の演出としてのイメージだったのかも知れません。ただし、このカセットテープの存在と意匠は、後に”アカとブルー タイプレボリューション”でかなり前面に出ることになります。”アカとブルー”のテーマの一つが、「20年前の骨董品が、最新のものに十分以上に対抗できる」だという話のようですので、その象徴でもあったのでしょうが。まぁ、”ブレンダー”は作品世界において20年前の超テクノロジーにしてロストテクノロジーだったわけですが。
サントラ発売に合わせ、ミカドのイケダミノロック店長が2017年秋に全国各地のゲームセンターでポスターを配布するというイベントがありました。自分も情報を得て今は無き札幌スガイでカセットテープ版にサインを頂きました。トーク配信などでサントラの製作経緯を聞くにつけ、様々な思いがこもり、こめられているなぁ、と。これは大切に保管しております。

ゲーム本編の音楽はエレキギターがギュンギュンいうロックサウンド。音楽のことはよく分からないので自分が語るべきでは無いのですが、無論これが良いのですよ!何となくストーリー、戦況展開に合っている気もするし。とにかく良いんだ!(小学生未満レベルの主張)

・”思いのままに飛べる”から”どこででも、いつまでも飛べる”へ
正直、アーケード版である”アカとブルー タイプレボリューション”がレバーとボタン操作という時点でSFロマン的にはかなり幻滅しました。勝手に”ブレンダー”のロマンに心酔していた当時の私は、「”思いのままに飛べる”というキーワードのロマンを放棄したのか、弾幕シューティングの達人どもはこのロマンを殺してまで弾避けがしたいのか」とごく勝手に憎悪を燃やしたものです。しかし、私にとってのアーケードゲーム界のロマンに光明をもたらすEXAシステムの理想との組み合わせで、”どこででも、いつまでも飛べる”とキーワードが展開することで、新たな気づきとより広いロマンがあることにごく勝手に気づいたわけです・・・ということで、”アカとブルー”について思ったことはだいたい書けたような気がするので、次回に

つづく

次回予告
2019年11月27日(木)、EXAシステムが全国どこかで稼動を始めた!
2019年中には「海外展開はまだ」らしいので、橋でつながっていない北海道での稼動が無かったことは、その他諸々の事情を鑑みて納得しよう!
SFロマンは死んだのか?否、より大きなゲームのロマンの始まりである!

次回、”アカとブルー タイプレボリューション”

一面稼ぎ10億点もせず、タノシマスのイベントにすら行っていない自分に、何かを記す資格はないのだろう・・・それでも。


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