・御嬢様領域???

某日。

M:「諸君!聞いてもらいたい!!
直:「諸君って・・・私一人ですけど?」
M:「と、とにかく、
2006年10月22日、我々はひとつのギャラリーを失った!!何故だ!?
直:「坊やだから・・・じゃなくて、カナディアンワールドが今年の営業を終了したからじゃないですか。何言ってるんです?」
M:「・・・で、
ギャラリーの閉館は、敗北を意味するのかっ?!否、始まりである!!
直:「な、何のですか・・・?」
M:「
諸君!ギャラリーは、我々に独自の撮影空間構築を促すために閉館したのだッ!!
直:「そんなバカな・・・」
M:「
今私は、ユミザーの熱き血潮を我が血とし、より良い撮影環境構築のため、戦いを開始する所存であるッ!!
直:「趣旨には概ね賛同できますが、何の知識もない素人が自宅でやるんですからちょっと大げさすぎやしませんか?」
M:「
ジークッ、ユミザ〜ッ!! ジークッ、ユミザ〜ッ!!
直:「一体何を考えているんだか・・・。」

で。

M:「見よ、直子!」
直:「こ、これは・・・椅子にサイドテーブル?おまけに背景の布まで・・・」
M:「これこそ先日のユミザーの成果。私の自宅とは思えぬ新撮影空間だぁ!!名付けて、”御嬢様領域”ッ!!!」


直:「・・・フゥン・・・?」
M:「?」
直:「この椅子、ワタクシが使うには少々装飾不足ですわね、爺や。」
M:「お、お嬢様・・・?」
直:「このサイドテーブルだって、ワタクシが使うのですからもっと重厚なデザインのものを揃えるコトくらい考えられなかったのかしらねぇ・・・あとこの布、確かに予算はかかっていますけど色の選定が今ひとつですし、あともっとセンスの良い使い方ぐらいいくらでもあるでしょうに。・・・まぁ、アナタではこの程度が限界かも知れませんわねぇ。」
M:「う、うぅ・・・」

直:「何をしているのです爺や?さっさとお茶くらい用意しなさいッ!」
M:「は、はいぃぃぃぃ、た、ただ今ァ!」




直:「・・・」



直:「・・・とは言ってみたものの、素人なりにがんばった、のかも・・・というか、Mさん無理しすぎよ・・・布代だけでかなりなものでしょうに・・・大丈夫なのかな、経済的に・・・。ギャラリーという環境が失われ、それに少しでも近づけたいという気持ちはわかるけど・・・私のために、こんなに色々と・・・ホントに、バカなMさん・・・」


直:「私なんて、こんな環境に相応しい生まれじゃないのに・・・ホント、ばか・・・」

直:「・・・ありがとう、Mさん・・・。」

M:「お嬢様、お茶をお持ちしました・・・お嬢様?」


M:「・・・い、今何かおっしゃっておりましたか・・・?」
直:「・・・全く、この使用人はヒトの感謝も素直に受けられないのかしらねぇ!!」
M:「は、はぁ・・・申し訳ございませんお嬢様!」


直:「フン、仕方がありませんわ。今後はこの環境で撮られて差し上げますわ。ただ・・・」
M:「ただ?」
直:「日々、より一層ワタクシに相応しい環境にするよう精進なさい。」
M:「は、こ、これ以上でありましょうか?」
直:「無論です!この程度ではお話にもなりませんッ!」
M:「は、はいぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

と、いうことでとうとうやってしまいました。少しは雰囲気が出ているような気がするのですが、とりあえずはこの程度であります。
それにしても、ギャラリーという環境が雰囲気としていかに恵まれていたか、が思われます。
しかしまぁ、いざ撮影となると全体の光量不足とカメラの測光方式のせいか、顔のハイライトが白飛びしまくり・・・。この環境での撮影を本格化するには、かなりの研究が必要と思われます・・・。あ、無論写真はRAW撮影で調整現像しまくりですよ。念のため。

ええっと、お嬢様の髪ですが、ロールの崩壊がひどくなりましたので思い切って湯につけて伸ばしました。その内また巻き直す方法を検討しないと・・・。いやしかし、これはこれでいいかも・・・?


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