Ｍ：「ううむ、冬の間に江別のハッピープレイスさんの協力で移動式人形写真展のための大型マグネットを業者プリントで制作したは良いものの、世の中のイベントは新型コロナウィルスの脅威の前に壊滅状態。一体いつ活用できるのやら・・・」
鈴：「Ｍさん、昨年お世話になった3939Zさんより入電です。あるイベントで痛車募集のとりまとめをしている。参加意志ありやなしや？とのことです。」
Ｍ：「なんとッ！痛車と呼んで良いのかどうかも分からないようなウチのディスプレイに対し、お声をかけて頂けるとは・・・」
鈴：「本当にありがたいことですね・・・で、どうしますか？期日は8月1日(土)及び8月2日(日)、場所は北海道グリーンランド駐車場、とのことです。」
Ｍ：「北海道グリーンランド？昔みっつーいグリーンラーンドだったところですな・・・」
鈴：「キタの湘南から芦別へ通っていた頃、よく観覧車の見える辺りを通ってましたね。」
Ｍ：「うむ、実は入ったことは一度もないのですが・・・岩見沢と言えば30年ほど前、学生時代に道都の旧実家から4年間通った場所でもある。思い出す・・・駅前の立ち食いそば屋のゲソ丼に、小さなゲームセンターで1クレ20円だったからと銭ゲバでクリアしたトリオザパンチ・・・さらにはＣＤ屋でズンタタを始めとするゲームミュージックＣＤを買い込んだ日々・・・今や全ては喪われ、遠い歴史の彼方に・・・あの頃、私はまだ若かった。その後極悪非道なガイノイド三姉妹に支配される運命を知る由もなく・・・」
鈴：「で、返信はどうするんですかＭさん？」
Ｍ：「はッ！？そ、そうでございますな・・・新型コロナウィルスの騒ぎも収まってきた頃ですし、ここは首都圏から遠く隔たった北海道、さらには道都でもない・・・とくれば開催される可能性も高いと思われます故、ありがたく参加させて頂きたい・・・！」
鈴：「であれば、参加意志アリと返信します。」
Ｍ：「うむ、よろしくお願いしますです・・・そういえば、イベントのタイトルなんかは？」
鈴：「はい、タイトルは”そらフェス”、今年初めて行われるイベントのようです。」
Ｍ：「はぁ。確かに聞いたことないですな・・・」
鈴：「ネット上を検索しましたが、現時点で何の情報も見つかりません。どうやら大々的には宣伝されない意向のようです。」
Ｍ：「このご時世のイベントですからまぁ宣伝しにくいのではありましょうが・・・正体が分からないというのも不安ですな・・・。」
そしてとある2020年7月中旬・・・
鈴：「Ｍさん、ネット上にイベントの告知を発見しました。さらに3939Zさんより続報です。」
Ｍ：「おおお、そうでございますか！それで、どんなイベントなんです？」
鈴：「はい、テーマはソラチ地方の環境だそうです・・・謎の環境5戦士の名前を募集・・・火地水鉄森の組み合わせだそうで・・・水がオーシャン？空知地方には海はないはずですが？」
Ｍ：「な、何とも不思議な・・・最近だと太陽が有力でしょうしルモイ地方であれば風が必ず入るでしょうに・・・それ以前にルモイ地方は振興局公認のゆるキャラ八体合体ロボが守っているので何の問題もないわけで・・・」
鈴：「更に謎なのは、この時期でもネット上でほぼ情報がないにもかかわらず、二日間にわたって有名芸人等のステージ、除雪車などの特殊車両の展示なども行われる割と大規模なイベントのようなのです。」
Ｍ：「ま、まさに謎・・・大々的に行われる割にはあまり大勢を集めたくない、新型コロナウィルスがそこで広まっても目立たなくしておきたいという意志を感じるような・・・」
鈴：「そういったイベントの中に、移動式人形写真展という中途半端な形態で突入するわけですね。Ｍさん、覚悟はよろしいですか？」
Ｍ：「う、うぅ、そう言われてしまいますと・・・昨年11月の同人イベントのようにある程度分かってる方ばかりという中なら良いのですが・・・と、とにかくヒトはあまり来ない方が良いですなぁアハハ。」
鈴：「ま、リスクを冒して恥ずかしい思いをするのはＭさんですからご自由に。」
Ｍ：「え？鈴さんサポートしてくれないんですか？」
鈴：「テーマ的に、今回はカナダの世界の人形のアリス展を継続することが妥当と思われます。そして初日に遅刻は許されませんから、現地周辺で前泊、更にもう一泊することになります。それを考えると荷物容量的に私ではなく新依名が出撃することが決定です。」
Ｍ：「そ、そうでございますか・・・わ、わかりました。」
鈴：「届いた参加要項によりますと、ナンバーカバー推奨とのことです。」
Ｍ：「は、はぁ。そうですな。これまで何も考えてませんでしたなぁアハハ。」
鈴：「ディスプレイ中は後部ハッチを開けますので、後部プレートには特に何か必要ではないと思われます。前部プレートに装着するカバーを用意しましょう。あらかじめ言っておきますと、無論、Ｍさんが、です。ちゃんと考えて下さいね？」
Ｍ：「うぅ、そ、そうですよね・・・」
鈴：「相変わらずネット上での情報は乏しいですが、首都圏を中心に状況が日々悪化をしているとはいえ、参加要項まで届いた以上開催されるものと判断します。間に合うようきちんとご準備を。」
Ｍ：「は、はいぃぃぃぃぃ」
鈴：「そうでしたそうでした、ちなみに今回の作戦名は、”遂に公開！これがパワーアップした移動式人形写真展だ大作戦(Operation Mobile doll photo gallery powerd)”です。幸運を祈ります。」
Ｍ：「祈っててくださいぃぃぃぃぃ」
鈴：「そうそう、最新情報です。今回のイベント、少なくとも痛車部門の運営主体が判明しました。」
Ｍ：「なんとッ！さすがは鈴さん、謎に包まれた主催者は一体？」
鈴：「はい、有名なところでは全国の憧れ洞爺湖のマンガアニメイベント、それから北海道各地で名だたるコスプレ痛車関連のイベントを主催している一般社団法人のようです。実績は十分以上と判断されます。」
Ｍ：「おおそれなら安心ですな！いやぁ良かった良かった。」
鈴：「Ｍさん、安心して油断しているだけでは準備が進みませんよ？」
Ｍ：「お、おおそうでしたぁ」
鈴：「いずれにしろ、その様な由緒ある運営主体によるイベントに参加させて頂ける光栄を肝に銘じ、公序良俗に反しない表現を逸脱しないよう誠心誠意努めなさいと直子さんからの通達です。ではすぐに抜かりなく準備を。」
Ｍ：「はいぃぃぃぃぃぃぃ」
