・桜とアリスと桜の国のアリス
2019年も5月に入り、ここドールフォト倶楽部北海道 芦別カナディアンワールド公園ギャラリー横の桜も開花を始めました・・・
M:「にに新依名さんいつの間にッ?!」 新:「全く、おねーちゃんとおじさんではお話が全く進まないよ・・・おねーちゃんってば、おじさんの無能を増幅するのかしら。」 M:「うう・・・し、しかしモデルとしては申し分ない方だと思うのですが・・・」 新:「だからいつまでも”不遇の次女”なんて呼ばれちゃうのよねー。あーあ、無能な使用人のせいで、かわいそーなおねーちゃん。」 |
新:「でも、こうしてにーにゃんが出てきたからには心配ご無用!使用人がどんなに無能でも、あたしのパワーでお話がちゃぁーんと進んじゃうんだから。」 M:「は、はぁ。し、しかし台詞が急にこなれてきましたなぁ新依名さん。」 新:「そりゃまぁ、初登場から20話もすれば慣れてくるよぉ。13年以上前から人形写真サイト作ってても、おねーちゃんの画像では進まない話しか作れないおじさんとは違うんだよー。」 M:「うぅ・・・」 |
新:「だって、おねーちゃんにキャラクターの強さで負けるわけにしかないし」 M:「は?何かおっしゃいました?」 |
新:「な、何でもなーいよ何でも。いい天気だなー。」 M:「は、はぁ。そうでございますな。」 新:「天気もいいし、桜も咲いてるし、今日はばんばん撮っちゃおうよ。」 M:「えーそれが・・・誠に申し上げにくいのですが・・・」 新:「え?」 |
M:「その、桜は開花はしましたが、まだ満開ではないのです・・・」 新:「えー」 |
M:「本日の気温ですと、満開は早くとも明日と思われます・・・」 新:「えー」 M:「残念ながら、本日の撮影はここまででございます・・・」 新:「えー」 |
そして翌日・・・
M:「新依名さん、期待通りの満開でございますよッ!また元イメージ画も用意しましたのでどうぞッ!」 新:「・・・って、思いっきり曇ってるじゃなーい!」 M:「そ、そればっかりはどうしようもないかと・・・さらに実はオープニング運営は本日最終日で、撮影チャンスは今しかないのです・・・」 新:「うーん、しかたないなぁ」 |
新:「でもまぁ、昨日よりはずっとずっと咲いてるね・・・元ネタ絵みたいに。」 M:「そうでございますな。元ネタ絵・・・昨夏、作家自らが桜シリーズの作品と、アリスを合成するという嘘みたいな特注企画を、画商に提案されるがままに契約・・・一体何故にあんな商談を言われるがままに・・・。」 新:「そりゃこのためにあたしが意識操作したからだけど」 M:「え?何か言いました?」 |
新:「ううんなんでもない。なんでもないよ。わー桜だぁ」 M:「しかし重ね重ね天気が残念でございます・・・」 |
新:「この絵のように上から撮れば空は入らないよ。」 M:「ええと、どうすれば・・・?」 新:「・・・おじさん低身長なんだからフツーにさっさと台とかイスとか持ってこようよ。はい、さっさとする。」 M:「は、はいぃぃぃぃぃ・・・」 |
M:「こ、これでどうでしょう・・・」 新:「・・・桜があたしの顔におもいっきりかぶってる。」 |
M:「ではこれで・・・」 新:「ピントがあたしじゃなくて桜にいってるー」 |
M:「こ、これは・・・?」 新:「桜の影があたしの顔に落ちてるーさっさと位置ずらすー」 M:「は、はいぃぃぃぃぃぃ」 |
M:「こ、これで?」 新:「うん、まずまず。」 |
M:「こ、こう?」 新:「いいよ。それなり。」 |
M:「このパターンで?」 新:「これもいいかな。」 |
M:「お、概ねいいところ撮れたのではないでしょうか・・・」 新:「無能な使用人にしては、まずまず、ね。多分。」 |
新:「じゃ、あたしモデル飽きちゃったから、後片付けよろしくね。」 M:「は、はぁ。」 |
新:「わぁーい、春だぁ」 |
新:(・・・ありがとう。おじさん。) |
こんな感じで、2019年春、「桜とアリスと桜の国のアリス」作戦を運良く実行することができました。天候、開花時期、滞在日どれが欠けてもこの画はなかったと思うと感慨深いです。
後半、二日目は新依名さんの機嫌がかなり良かったようで、良い表情を見せてくれました・・・そりゃ、ここまでして幸運にもタイミングもあって、それでも機嫌が悪かったら大変なことですよ!
それでも読めないのが人形モデルであり、新依名さんなのかもしれませんが。(笑)
そんなわけで今回やたらと台詞が走りました。人形モデルの調子に合わせ、たまにはこんなのもアリかな、と思います。
今回の元ネタ画「桜の国のアリス」は、作家のアリスシリーズ「アリス リドゥ」と、他に桜シリーズとして展開している中の「彩葉廻-いろはめぐり-」という作品の背景を合わせた全く新しい作品となっております。画商の提案で特別作品として制作されたようですが、レイヤー化されたデジタル画の強みと言いましょうか。それでも背景との重ね合わせ、光源の追加などそれなり以上に手間がかかっているようです。花びら一枚一枚がとんでもない高解像度で描かれているとのことで、綺麗な桜作品も一枚ほしいなーと思っていたところでしたので、画商からの提案は願ったり叶ったりといったところでしょうか。
まぁその、作品の「本体」は、作家の自宅のハードディスク辺りにある巨大なデジタルデータだということ、画商の判断によってはいくらでも量産されること、それくらいはわかってるんですよ?それでもまぁ、このテーマ、色彩、デジタル画とはいえ制作の手間を鑑みるにこの作家を”今”応援することの価値はあるだろうと思うわけでございます。この特別作品、自分の他に希望者がいれば画商との交渉次第でプリントされることもあるようですが・・・誰か出るでしょうか?あ、そうそう、画の中に作家独自の文字で「NIINA」と入れてもらっております。それを考えるとまさに一点ものと言えるかもしれません。
それにしても、ここまで作品をモチーフに等身大人形であそんで全く怒られることがないというのはかえって心配。そろそろ誰か怒ってくれて良いんですよ?ひょっとして怒られない?ならこれまでなけなしの配慮として作家名だけは出すことなく、モチーフとして人形であそんだり応援してきたりしたわけですが・・・じ、自分如きが、おおっぴらに応援して、い、いいのかなぁ・・・。
で、
次回予告 10日間にわたった2019年のギャラリープレオープンは、人形姉妹による活躍で無事に終了した。 しかし、最後、プレオープンで他メンバーの展示前という機会にせっかくだからと、縺尋・サザッキィの独断によってギャラリー内に引き起こされた数々の暴虐の真実を残さねばならない。 時として真実は、いかなるものよりもつらく、悲しい。しかしまた、真実こそがあたらしいネタをつくり出せるのだ・・・? 次回、2019年春のドールフォトギャラリー 期せずして多数の一般客が来場する中、ドールフォトギャラリーで無関係に展開されていたのは、何か。 |